BLUETTI EB3A

リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)を採用したBLUETTI最軽量大出力ポータブルバッテリー
価格:59,980円(税込)

2022年3月1日に予約発売された、BULETTI EB3A 容量は268.8Whに対し出力は600Wと300Wh以下のクラスでは数少ない高出力モデルとなっています。ACアダプターが本体に内蔵されている為、コンセントケーブルを直接刺せば高速充電ができます。9つの出力ポートとLEDライトが付いており十分な機能が搭載された機種となっております。



268.8Wh/600W
BLUETTI軽量化・超小型なポータブル電源
大出力で、9つの出力ポートから同時給電が可能

200Wh〜300Wh容量のポータブル電源だと、大体200W〜300Wの出力になります。なぜBLUETTI EB3Aは600Wなのでしょうか?その理由は出力ポートが多いからです。小型の他社ポータブル電源だと、出力ポート数は4つのものが、ポート数が少ないので、出力を大きくする必要がありません。しかし、誰でもいくつものデジタル製品を持つ今、4つのポートだけだと、すべてのデバイスへの同時充電は難しいです。BLUETTI EB3Aは、出力ポートが9つもあります。その内、AC出力ポート2つ、USB−C(100Wまで対応)出力ポート1つ、ワイヤレス充電パッド1つ、USB−A出力ポート2つ、5521DC出力ポート2つ、シガーソケット1つ、合計9つのデバイスへ同時出力が可能。9つの出力ポートから同時に充電をするため、600Wまで対応しています。普段なら、9つのデバイスへ同時に充電するシーンはなかなかないですが、大人数でキャンプをしたとしても様々な機器を十分に同時充電ができます。

BULETTI公式サイト

300Wh以下のクラスでAC100V 600Wが出力できるリン酸鉄系搭載モデルはEB3Aだけではないでしょうか?200W~300W程度の出力が多く入門モデルの位置づけがあったのですが、600W使えればかなりの機器が使えるようになります。5種類、総数9つの出力ポートとLEDライトが付いているので屋外で使用した際に不足することはありません。


充電性能

40分で70%まで充電可能、出発前の準備は簡単
高速充電対応で、連泊対応可能

BLUETTI EB3Aの重量、容量、価格がEBシリーズの他の機種より低くなりましたが、性能が低くありません。出力ポートの種類が同じですし、入力の方法も他機種と同じく5つあります。ACコンセントからの充電は最大350Wとなります。BLUETTI高速充電の技術によって、最短40分で70%まで充電可能です。
高速モード:350W MAX;約1時間フル充電(10℃-40℃の場合)標準モード:268W MAX;約2時間フル充電(0℃-40℃の場合)※注意:標準モードはデフォルトモードです。アプリで高速モードに変更が可能です。上記を考えると、性能が低いどころか、前作より断然に高いです。ソーラーパネルからの充電は200Wまで、つまり、EB55やEB70Sと同じレベルです。200Wのソーラパネルを使えば、野外でも簡単に補充充電できます。それだけではなく、EB55と同じくデュアル充電が可能です。

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300Wh以下のクラスだとACアダプターを使用して充電するタイプが主流、本体にACアダプターを搭載しているのでコンセントケーブルを刺すだけで充電の準備ができます。高速モードでは最大350W 約1時間で充電できます。実際に充電をした計測値を参照に公称通りの性能が出ているか確認をしてみます。

実測データを確認してみると0% → 80%までは430Wで一気に充電をかけ80% → 97%(160W)97% → 100%(60W)とバッテリーにダメージが少ないとされている標準的な充電制御のようです。コンセントからの入力値は300Wh(容量268.8Wh)損失は10.4%、充電はメーカー公称値通りの性能があることが分かりました。

充電時に気になる点
・高速充電を行う際は、アプリで設定を変更する必要がある。
・アプリでは残り充電時間などの情報は表示されないので不便 ※2022.12.11現在


安全性

あの有名な電気自動車と同じ
リン酸鉄リチウムイオン電池採用

リン酸鉄リチウムイオン電池はリチウムイオン電池の1種です。そして、リチウムイオン電池の中、一番耐熱性が良い種ともいえます。今までのポータブル電源は殆ど三元系やコバルト系、ニッケル系です。その中に、同じく電気自動車に使われてるのは三元系の電池です。では、三元系と比べて、リン酸鉄リチウムイオン電池は何がいいですか?コバルト酸リチウムや三元系材料は220℃以上で熱分解を起こし危険性が高いとされていましたが、リン酸鉄リチウムはリン(P)と酸素(O)の結合が強く安定しているため600℃まで熱分解が起こらないなど、安全性が大幅に向上しています。

コスパ抜群
充放電サイクル数は2500回以上

リン酸鉄リチウムイオン電池のもう1つの良いところは充放電サイクル数です。普通の三元系リチウムイオン電池なら、充放電サイクル数は500〜800となりますが、リン酸鉄リチウムイオン電池は2000回以上です。BLUETTIポータブル電源の場合、技術の改善より、充放電サイクル数は2500回以上となります。概算すれば、一回の充放電に当たる金額は三元系より遥かに低いです。※電池の寿命を伸ばすため、充電が残り20%になったら早めに充電をしてください。

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安全性の高いリン酸鉄系が採用されております。耐久性に関しては2,500サイクル以上(約8年間)とテストをするには時間がかかる為、省略いたします。バッテリーの種類に関しては【リチウムイオン電池の種類】でご確認ください。


BMS

BMS(バッテリーマネジメントシステム)完備
安全・安定・安心

BMS、全称バッテリーマネジメントシステム、つまり電池管理システムのことです。BMSによって、各セル電圧のばらつき制御を行い、バッテリーを安定的に保ち、ポータブル電源の寿命を伸ばします。
皆さまに安心してお使い頂けるよう、BLUETTIは常に最善を尽くしております。BLUETTIポータブル電源の本体には、高温保護、過電圧保護、低電圧保護、放電低温度保護、過電流保護、過負荷保護、ショート保護、充電過電圧保護などの設定を施してしました。

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BMS(バッテリーマネージメントシステム)は、高温保護、過電圧保護、低電圧保護、放電低温度保護、過電流保護、過負荷保護、ショート保護、充電過電圧保護


重量

重量は4.6kgと多少重たいのですが、格納式のハンドルが上部についているので持ち運びには問題はありません。


UPS機能

簡易UPS(無停電電源装置)付き
停電によるデータ消失も恐くない

簡易UPS(無停電電源装置)機能が付いているので、 停電などにより電力が止まった場合でも、接続している機器に給電をし続けます。 専門的なUPS(無停電電源装置)は、重くて高価です。大企業でなければほとんど使われていません。しかし、家庭での生活にもあったら便利ですよね。例えば、デスクトップパソコンやゲーム機など、使用途中に電源が落ちてしまうとデータがうまく保存されず、消失してしまう可能性があります。BLUETTI EB3A は超小型のポータブル電源ですが、簡易UPS機能が付いています。ポータブル電源EB3Aを家庭用ACコンセント接続し、AC出力ポートをONにしていると、自動で給電をし続けます。

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あくまでも簡易的な機能の為、医療機器やサーバーには使用ができません。切替スピードは20ms MAXと比較的高速の為、家の照明、テレビ、冷蔵庫などであればUPSとして使用できるレベルの物が搭載されています。

電力シフト機能

公式サイトでは記載がないのですが、アプリの中に設定がありました。X-Boostなどと一緒で無理やり動かすため緊急時の機能として使用することをお勧めします。


デザイン

使い勝手の良い四角いデザインで入出力の端子は全て前面に配置されています。充電用の入力ポートも前面に配置している為、どこで充電をすればいいのか?一瞬悩んでしまうことがあったので同色での表示ではなく色を変えて視覚的に分かるように設計するとさらに良くなるかと思います。質感は、あまりよくなくバリが出ていたりと定価で約6万円の製品には思えませんでした。要改善点です。


スペック

容量:268.8Wh(12Ah 22.4V)
重量:約4.6kg
サイズ:25.5 x 18 x 18.3cm
AC入力:100V 50Hz/60Hz, 最大9A
DC入力:12-28V 200W, 最大8.5A
USB-C 出力:5/9/12/15/20V 3A, 20V 5A 最大100W
DC出力:12V 10A, 最大120W
USB-A 出力:5V 3A トータル最大15W
AC出力:純正弦波、合計600W(サージ1200W) 100V~ 50Hz/60Hz
電池素材:リン酸鉄リチウムイオン電池
寿命:2,500回以上(80%+)


実稼働時間(AC交流100V)

ポータブル電源の現状としては直流(バッテリー)を交流に変換する際にかなりの損失があり、理論値と実稼働時間には大きな差があります。こちらに関しては【インバーターの効率】でご確認ください。※通常、放電深度90程度になるように制御されていますが製品のスペック×0.9からさらにパーセント計算になると直感的に理解するには向いていない為、放電深度は100で計算しております。

EB3Aはどの程度の性能を持っているのか計測値を元に検証を行います。
負荷:18W、36W、100W、200W、300W、500Wでテスト
室温:20℃~22℃
機種:BULETTI EB3A

【18W】出力3%
実稼働時間:8時間37分 155.1Wh(57.8%)

【36W】出力6%
実稼働時間:5時間23分 193.8Wh(67.2%)

【100W】出力16%
実稼働時間:2時間10分 217.1Wh(80.8%)

【200W】出力33%
実稼働時間:1時間5分 216.5Wh(80.5%)

【300W】出力50%
実稼働時間:44分 220Wh(81.8%)

【500W】出力83%
実稼働時間:26分 216.6Wh(80.6%) ※オーバーヒート

表を参考に性能を見ると出力17%までは損失がかなり大きく実用範囲ではないことが分かります。18Wでは約6割程度の容量しか使用することができないので消費電力の少ない家電製品(LED照明など)の使用には向かないかと思います。実用的になるのは20%(120W)以上となりますが、効率は約80%なので長時間100Vの機器を動作させるには容量不足を感じる可能性があります。


実稼働時間(DC直流12V)

EB3Aはどの程度の性能を持っているのか計測値を元に検証を行います。
負荷:18W、45W、100Wでテスト
室温:20℃~22℃
機種:BULETTI EB3A

※通常、放電深度90程度になるように制御されていますが製品のスペック×0.9からさらにパーセント計算になると直感的に理解するには向いていない為、放電深度は100で計算しております。

【18W】出力15%
実稼働時間:9時間48分 187Wh(69.6%)

【45W】出力37%
実稼働時間:4時間36分 215Wh(80.0%)

【100W】出力83%
実稼働時間:2時間9分 215Wh(80.0%)

出力15%程度で約70%と効率が多少悪い印象があります。バッテリーの仕様を見ると22.4V 12Ahと記載がありますので22.4V→12.8V程度まで降圧させている関係で多少のロスがある可能性があります。DC12Vに関しては上限値が10A(120W)と使用できる電力量が少ない為、動かせる機器の制限はありますがLED照明など省電力の機器を動かすには最適かと思います。


総合評価 3.8

ACアダプターを本体に内蔵し高速充電を可能にAC出力600W、変換効率も80%以上、インターフェースの充実度を見てもかなり魅力的な1台ではないかと思います。実際に使用したところ高出力で使用後、再充電をするとオーバーヒートしてしまいしばらく冷却をしないと使えないなど冷却性能に若干難がありました。アプリの設計があまり良くなく表示が分かりにくい。欲しい情報が得られないなど改善の余地はかなりあります。

価格:3 デザイン:4 安全性:5 充電:5 出力:4 機能:3 アプリ:3 付属品:3

おすすめ度 4.1

老舗メーカーの1社であるBULETTIの入門モデル。定価6万円と高価ですが、セールを利用すれば3万円以下で購入できるのはかなりお得かと思います。入門モデルとしてAC600W出力は他のライバルに差をつけておりEB3Aの特長と言えます。高速充電、LFPバッテリー、アプリでの管理、入門モデルとしては十分過ぎる性能を有しており、おすすめの1台です。