バッテリーの「mAh」や「Ah」って何?
モバイルバッテリーやポータブルバッテリーを買うとき、必ず目にする「〇〇〇〇mAh」や「〇〇〇Ah」という表記。なんとなく「数字が大きければ容量も大きくて、長く使えるよね」と考える方は多いのではないでしょうか?確かにその通りで、数字が大きいほど容量も大きくなります。でも、「mAh」や「Ah」がどんな単位なのか、気になりませんか?
「mAh」と「Ah」の意味を簡単に
「mAh」は「ミリアンペアアワー」、「Ah」は「アンペアアワー」と読みます。
これらはバッテリーの容量を示す単位で、「放電容量」とも呼ばれます。
・A(アンペア):電流の単位です。
家電製品の表示でも見かけることがあります。電流は「電線を流れる電気の量」と考えると分かりやすいです。
・電圧(V)との違い:電圧は「電気の高低差」のようなもの。
たとえば、12Vと100Vなら、100Vの方が差が大きいので電圧が高いです。
・W(ワット):電気が仕事をする力、つまり「電力」です。
計算はシンプルで、「電圧(V) × 電流(A) = 電力(W)」となります。
ここで「mAh」と「Ah」に戻ります。
・mA(ミリアンペア):1Aの1000分の1です。つまり、1000mA = 1A。
・h(アワー):時間の単位で「1時間」を意味します。
たとえば、「100mAh」は「100mAの電流を1時間流せる容量」ということです。
モバイルバッテリーのスペックを見てみましょう
具体例として、あるモバイルバッテリーの仕様を見てみます。
・サイズ:約158 x 74 x 19mm
・重さ:約343g
・入力:5V = 2A
・出力:5V = 3A(各ポート最大2.4A)
・バッテリー容量:20,000mAh / 72Wh
「20,000mAh」は分かりますが、「72Wh」って何でしょう?
「Wh(ワットアワー)」とは
「Wh」は「ワットアワー」の略で、電力(W)に時間(h)を組み合わせたものです。難しく考える必要はありません。
では、なぜ「20,000mAh」が「72Wh」になるのか、計算してみましょう。
電力の公式「W = V × A」を使います。
・72Wh = 20Ah(20,000mAhは20Ahと同じ)× 〇V
・72 ÷ 20 = 3.6
つまり、このバッテリーは3.6Vをベースに作られていることが分かります。
充電にかかる時間はどうやって計算する?
このバッテリーを0%から100%まで充電するのにかかる時間を計算してみます。
入力が「5V = 2A」なので、
・5V × 2A = 10W
・72Wh ÷ 10W = 7.2時間
つまり、約7.2時間で充電が完了します。
※「約」と付くのは、バッテリー保護のために100%に近づくと電流が下がり、少し時間が延びるためです。
まとめ
「mAh」や「Ah」はバッテリーの容量を示す単位で、数字が大きいほど長く使えます。また、「Wh」や電圧・電流の関係を理解すれば、充電時間も簡単に計算できます。これを知っておくと、モバイルバッテリーを選ぶときや使うときに便利ですよ。ぜひ参考にしてみてください!